支援員のお悩み相談室 長期休みは、学童で過ごす時間が長く、子どもたちもストレスがたまります。どうすればトラブルを減らせますか?

回答者:小野 さとみ

2020.07.16

休校や長期休みのときは学童で過ごす時間が10時間近くあるため、途中で子どもがイライラしてきてお友達とトラブルになる場面が見受けられます。子どもたちのイライラをどう発散させたらいいのでしょうか?

1日の流れを子どもたちにもわかりやすく伝えることが大切です。子どもも1日の見通しが持てることで、落ち着いて生活できます。

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集団生活のリズムにメリハリをつけるなどの工夫が必要です

小学校が休校のときや夏休みなどは、朝から夕方まで長い子では11時間くらいを学童保育(放課後児童クラブ)で過ごします。集団生活の場なので、ある程度はルールに従って生活しなくてはならず、「学童では自分がやりたいようにはできない」と感じる子もいるでしょう。さらに、新型コロナウイルスの感染防止で気をつけなければならないことも増えています。そんな環境下では、子どもたちのストレスがたまって、小さないざこざが起こりやすくなります。子どもが落ち着いて生活するためには、普段の学童での過ごし方とは違う、長期休みならではの工夫が必要です。

大事なのは、1日の過ごし方が単調にならないように計画することです。小学生は元気だからといって、1日中走り回っていればいいというわけではありませんよね。1日の大きな流れとして、元気よく外で遊ぶ時間と、ちょっと落ち着いて休息する時間が必要です。ずっと同じ遊びをしていると、集中力が切れた頃から子ども同士のもめごとが起こりやすくなります。ポイントは、1時間くらいのテンポで活動内容を変えることです。


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落ち着いて過ごす時間とやりたい遊びをする時間でメリハリを

私が勤務している学童では、以下のようなスケジュールで長期休みの1日を過ごします。

【長期休みのときの1日のスケジュールの例】
  8:00~9:00    開所・登所
  9:30~      朝の会
  9:45~      学習の時間(自習・45分程度)
  10:30~    外遊びなど、自由遊び(間でトイレやお水を飲む時間をとる)
  12:00~    お昼ごはん
  13:00~    室内で静かに過ごす
  14:00~    自由遊び
  15:00~    おやつ
  15:30~    自由遊び・学習など(間でトイレやお水を飲む時間をとる)
  16:30~    帰宅(1人帰りや保護者のお迎えで帰る)
  19:00     閉所 

中だるみの雰囲気を感じたら、声をかけて活動の切り替えを

スケジュールには自由遊びの時間がありますが、「子どもだけで好きに遊んでいていいよ」という時間は、長くても45分~1時間くらいにしています。それ以上になる場合は「トイレ休憩にするよ」「お水を飲みに行こうか」と声をかけたり、支援員が一緒に遊びに入って遊びのルールを整理してあげたり、別の遊びを提案したりなどの工夫が必要です。

子どもの遊びでは、「盛り上がり」→「中だるみ」→「トラブル発生」→「楽しくない」という流れになりやすいので、中だるみの雰囲気を感じたら、上手に声をかけて活動を切り替えましょう。静と動を織り交ぜてメリハリをつけていくことで、友達とのトラブルも少なく、ストレスが少ない過ごし方ができると思います。

お昼のお弁当のあとは、クールダウンも兼ねて室内で遊びつつ休憩する時間をとっています。特に夏休みは、この時間に横になってゴロンとするお昼寝の時間を入れます(新型コロナウイルスの感染状況によっては、3密を避けるようにお昼寝の環境を整える必要があります)。「眠くない」という子どももいますが、「寝なくてもいいから、目をつぶろうね」と話をしています。暑いなか朝から活動しているので、体を休ませる時間が大事です。特に1年生はまだ体力がついていないので、疲れがたまらないように配慮が必要です。

学校のように時間割を決めていっせいに同じことをするのとは違い、学童ではあくまでも、子どもが主体的にやりたい遊びができるよう見守って、活動の切り替えを促していくことが支援員の役割となります。あらかじめ生活のリズムを決めつつも、その日の様子を見ながらフレキシブルに対応していきましょう。子どもたちは毎日のルーチンを見通すことで落ち着いて生活できるようになるので、大人の都合で大幅に変更しないように心がけたいですね。

夏休みは、長期的な視点も大事

夏休みの場合は、「1日をどう過ごすのか?」という生活リズムとは別に、「40日をどう過ごすのか?」という長期的な展望も大切です。遠足、スポーツ大会などを企画したり、お昼ごはん、おやつ作りをしたり、みんなで何か1つの目標を立てたり。長期休みだからこそ楽しめる行事を計画しておきます。行事の前に話し合ったり、準備したり、子どもたちと一緒に運営する時間が楽しいのです。

新型コロナウイルスの影響で、今年度は夏休みが短くなったり、イベントの企画も難しかったりますが、状況に合わせて子どもたちのために出来ることを工夫して組み立てていきたいですね。

(文・構成 生島典子)

 

※次回は8月中旬に更新予定です

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小野 さとみ

回答者プロフィール小野 さとみ (おの・さとみ)

1962年愛知県生まれ。名古屋市、東京都八王子市や町田市で放課後児童クラブ支援員として勤務し、支援員歴35年。現在は町田市の放課後児童クラブの支援員。全国学童保育連絡協議会・副会長、月刊『日本の学童ほいく』編集担当役員を務める。