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支援員のお悩み相談室 第26回 いつも同じ友達とばかり遊びたがる子がいて、誘われた子はほかの子と遊べなくて困っています。どのように声かけをすればいいでしょうか?

回答者: 高橋 誠

2021.09.16

いつも決まった友達とばかり遊びたがる子がいます。相手の友達は、ほかの子とも遊びたいのに遊べず困っているようです。どちらの子にもいろいろな友達と関われるように促したいのですが、支援員はどのような声かけをすればいいでしょうか。

『本当の仲良し』って何だろうね」と子どもと一緒に考えながら、友達を囲い込みたがる子どもの気持ちを理解してあげましょう。

Milatas/iStock/Getty Images Plus

仲良しグループで困ること

「友達を独占したい」という気持ちはどの子も少なからず持っている感情で、放課後を過ごす子ども同士の関係性のなかでも、特定の友達を「囲い込んでしまう」のはよく見受けられる傾向です。「野球やろうぜ」「ドッジボールしよう」とやりたい子が集まる集団の遊びならいいのですが、「仲良しグループで遊ぶ」ことが先にあり、何で遊ぶかは後から決めるという遊び方の場合、いつも同じ子ばかりの集まりになってしまいます。「一緒にいることが仲良し」だと思い込んでいるためでしょう。

仲良しグループ自体に問題はありませんが、その中で関係が密になりすぎ、中の誰かが居心地の悪い思いをしていたり、グループに入れなくて疎外感を味わったりしている子がいる場合、私は「『本当の仲良し』って何だろうね」などと、子どもに問いかけてみます。すると子どもからは、「いつも一緒にいること」「ケンカをしないこと」などの答えが返ってきます。私は、「いつも一緒にいるのは楽しいけれど、一緒にいない時間も含めてその子のことを認められるのが本当の仲良しなんだと思うよ」と伝えるようにしています。

ほかの子とも遊びたいと思っている子には、「○○さんと遊んでみたら?」といった声かけをしたり、疎外されてしまっている子には、グループにいる子に「○○さんも誘ってあげてくれるとうれしいな」などと声かけをしたりすることもあります。一つの集団から自分だけ抜けるのは勇気がいることですが、学童保育ではいろいろな過ごし方があっていいと思います。

あるとき、おやつ前に女の子3人が折り紙をして遊んでいました。しばらくして1人の姿が見えなくなったと思ったら、連絡帳を書いている私の背中にもたれかかってきました。ほかの2人と何かあって、その場を離れて落ち着きたいのだろうと思い、特に声をかけませんでした。私が「どうしたの?」と声をかけてしまうと、その子が理由を言わなくてはならないからです。「ホールの様子を見にいくけれど、ついてくる?」と聞くとうなずくので、一緒にホールに行って育成室に戻ってきました。その子は少し心が落ち着いたのか、また折り紙のグループに戻っていったのです。

指導員・支援員は、まず「一人ひとりの子どもに違いがある」ということへの理解が必要です。そしてその子がその子らしくいられて、したいことができているのかを考えて対応できるといいですね。

Milatas/iStock/Getty Images Plus

友達を囲い込む子、囲い込まれる子、双方の悩みを受け止めて

なかには、「○○ちゃん・○○くんと一緒にいたい」という思いがとても強い子がいます。単にその子が好きというだけならいいのですが、背景に誰かといないと不安を感じてしまうなどの理由を抱えていることがあります。この場合、友達を囲い込む関係性を指導員・支援員が一方的に断ち切るだけでは解決につながりません。不安を抱えている子どもの心に寄り添うことが必要です。

具体的には、「友達が窮屈な思いをしているように見える」ことや、「いろいろな友達と関わって、楽しく過ごしてほしい」と思っていることを伝えたうえで、その子が抱えている不安を丁寧に聞き取ります。特に低学年の子どもは自分の感情を言葉にすることが難しいかもしれませんが、やりとりのなかで指導員・支援員が言語化し、どうしたら安心して過ごせるのか一緒に考えていくことが必要です。その子が1人でいたらそばに寄り添ったり、ほかの子を巻き込みながらさまざまな遊びに誘ってみたり、過ごし方の選択肢を広げていけるように関わっていくといいでしょう。

また、囲い込まれてしまう子へのフォローも必要です。なかには嫌でも、相手にそれを伝えられないこともあるからです。まずは「嫌だけど言えない」という思いを受け止め、必要な場合には、お互いの話し合いの場を設けます。双方がどう思っているのかを出し合い、うまく伝えられない部分を指導員・支援員が補足するなどして、お互いの思いを橋渡しします。一度では改善されないことも多いでしょう。両者の関係性を見守り、少し時間をあけタイミングを見てまた話し合うなど、子どもたちが安心して過ごせる関係づくりのために継続的な取り組みが求められます。


(文・構成 生島典子)

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 高橋 誠

回答者プロフィール 高橋 誠 (たかはし・まこと)

1968年、東京都生まれ。91年に東京23区に入区し、現在、区内児童館長(放課後児童クラブ担当兼務)。指導員歴は30年。東京都放課後児童支援員認定資格研修および資質向上研修の講師を務める。白梅学園大学非常勤講師および全国学童保育連絡協議会事務局長。