たのしーと制作者インタビュー「遊びながら学ぼう!」 第3回 株式会社あいげん社 大瀧千明さん

2020.05.25

「言葉あそび」「数・図形あそび」の「たのしーと」を制作している、あいげん社の大瀧千明さん。子どもの目線に立った楽しいドリル作りのプロである大瀧さんに、「たのしーと」に込めた思いや、工夫しているポイントについて聞きました。


撮影:北村瑞斗

制作時に心がけていることは?

「たのしーと」の土台は学習ですが、見た目には「遊び感覚」を取り入れています。子どもは「やらされている感じ」が強いといやがりますよね。どうしてやっているのかわからないと、拒否反応が起こるからです。「これ楽しい!」と思いながら取り組むことで、知らず知らずのうちに身につくのがいちばん! 言葉や数で遊んでいるうちに、語彙(ごい)力がアップし、計算する力も増してきます。
放課後は、子どもにとって楽しい時間。だからこそ、「たのしーと」は「遊び感覚」を大切にし、クイズやパズル、ゲームを使った問題の切り口や見た目の楽しさに、いちばん神経を使っているのです。


「遊び感覚」を大切にした「たのしーと」

普通のドリルと、どこが違うの?

普通のドリルでは複学年対応はしていません。しかし、「たのしーと」では、学童の1~3年生がいっしょに取り組める複学年対応の問題を、試行錯誤しながら制作しています。
例えば、入学したての1年生でも楽しく取り組めるように、色塗りや切って貼るといった簡単な工作を入れたり、4月から1年間かけて少しずつ難易度を上げたりと、能力に応じた配慮をしています。また、知識だけではなくひらめきで解ける問題や、みんなで取り組んだり競争したりできる問題など、複学年がいっしょになって楽しく取り組める工夫がいっぱいです。

おすすめの「たのしーと」は?

すべてがおすすめです! 担当者はみんな、自分が作りながら楽しんでいます。そのなかでも、実際にやってみて「楽しい!」と思ったものが、その子のお気に入りです。お気に入りは人それぞれ違うので、「自分のお気に入りはこれ!」という「たのしーと」を見つけてくれたらうれしいです。

制作の苦労話を教えて!

みんな大好きな「まちがいさがし」のなかでも、特に「鏡に映ったまちがいさがし」は作者泣かせです。作っているうちに、逆になるとどう見えるのかわからなくなることがあります。注意力や観察力が必要で、大人でも難しいくらいなので、わかる子は本当にスゴイ!


「鏡に映ったまちがいさがし」

子どもたちにどう取り組んでほしい?

「たのしーと」で遊んで、「これ、おもしろい!」「これなら自分でも作れそう!」という問題に出合ったら、その問題を応用して自分で問題を作ってみてほしいです。そして、友達やおうちの方にぜひ解いてもらいたいと思います。応用問題を作ることで脳が活性化し、友達やおうちの方との交流もきっと深まるはずです。

休校中の子どもたちへひと言

「友達に会えない、家にいるのが退屈!」から、「今ならたくさん『たのしーと』ができる!」に、気持ちを変えてみましょう。おうちでしかできないことやお手伝いをする時間が、今はたくさんあります。その一つに「たのしーと」を選んでもらえるとうれしいです。
「これ、おもしろい!」と思った「たのしーと」で、オリジナル問題を作ってためておき、学校が始まったら友達に解いてもらうのはどうでしょう。きっと盛り上がること間違いなし! しばらく離れていた友達との距離も、ぐっと縮まりますね。


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プロフィール 株式会社あいげん社(かぶしきがいしゃ あいげんしゃ)

幼児教育の第一人者でもある東京大学名誉教授汐見稔幸先生のご指導のもと、長年にわたり幼児教材(ことば・かず・せいかつ・しつけ)などの執筆・編集制作に携わる。そのノウハウを生かし、小学校低学年向けの学習教材も手がける。
小学館「めばえ」「学習幼稚園」、ベネッセコーポレーション「こどもちゃれんじ」、教学研究社「ママできるよ」シリーズ、「はじめてのかず、ことば」などの執筆・編集制作。