たのしーと制作者インタビュー「遊びながら学ぼう!」 第8回 東京学芸大学大学院 教育AI研究プログラム 原 裕佳子さん

2021.02.08

「あそドロ3人組」は、東京学芸大学が制作したオリジナルコンテンツです。時代劇に登場するようなユニークなキャラクターがさまざまなあそびを提案します。制作を担当した、原 裕佳子さんにお話を聞きました。


写真提供:原 裕佳子さん

「あそドロ3人組」は、どのようなコンテンツですか? 制作のねらいとは?

「あそドロ3人組」は、「マンガ」と「あそびのシート」がセットになっています。マンガでは、「あそべえ」「おらくちゃん」「あそぼうず」という仲良し3人組が巻き起こす日々のドタバタを元にしたストーリーで、2枚目のあそびのシートでは、その出来事を元に「何でもあそびにしてしまおう!」という展開です。全体を通して学童(放課後児童クラブ)で過ごす子どもたちに「今日はこれであそばない?」「こんなあそび方もあるけど、君ならどうする?」というメッセージを発信しています。

「あそドロ3人組」に登場する主なキャラクターを紹介してください。原さんがいちばん好きなキャラクターは?

主人公の「あそべえ」は、食いしん坊で絵を描くことが大好き。「おらくちゃん」は、ドロ団子屋の看板娘。しっかり者で笑い上戸。「あそぼうず遊導(ゆうどう)」は、知識が豊富で笛を吹くのが趣味。坊主頭だけどお坊さんではない(笑)。時代劇のような世界観の中で、時には「判じ絵(はんじえ)」という江戸時代のあそびをしたり、ある時はクラブのDJになったりと、あらゆる時代の文化をあそびにしてしまう不思議な存在です。

私がいちばん好きなキャラクターは、やはり「あそべえ」です。いつも泥棒みたいにかぶり物をしていて素顔が謎なところや、毎日ご機嫌で楽しそうなところが魅力です。主要キャラクターの3人以外では、「きのう何食べた? うんちルーペで見てみようの巻」のフンボルト博士も気になる存在です。


あそドロ3人組:「おいらたちは、ど~こだ?の巻」

あそびのテーマはどのように決めていったのでしょう。制作の裏側を教えてください。

どんなテーマで、どのようなあそびにするかなどの方向性を、東京学芸大学の正木賢一先生を始めとする制作チームでアイデアを出し合い、それを私がマンガやシートに落とし込んでいくという形で進めました。アイデア出しのディスカッションでは、誰がおもしろいことを言うか大喜利のようになることも(笑)。盛り上がりすぎて内容が本筋からそれることもしばしばでしたが、その寄り道の中で新たなアイデアの種を見つけることもありました。

実は「あそドロ」は、「あそびゴコロのドロボー」という意味で、主要メンバー3人ともに「ドロボー」という設定です(笑)。だから、ストーリーやあそびの内容に「いたずら」の要素を忍ばせています。「ハッピーおみくじの巻」では、忙しいおらくちゃんが、あそべえにお手伝いしてもらうためにおみくじの「大吉」を用意したり、「どうなってるの? かげ絵クイズの巻」では、あそぼうずが他の2人を驚かせたり。どんな「いたずら」が隠れているか探し出してみてください。


「あそドロ3人組」のコンセプトはコチラ

学童の子どもたちに、「あそドロ3人組」をどのように活用してほしいですか?

「あそドロ」は、自分で考えて書き込むシートがあったり、みんなでリズムあそびをするものがあったりと、さまざまなあそびを提案していますが、シートで紹介しているのはあくまで基本となるあそび方です。同じやり方にとらわれず、学童の広さや子どもの様子など、その場に合ったあそびにどんどんアレンジしてください。違うルールにしたり、あそび道具をプラスしたり、ごっこあそびにしたり、新しいあそびに発展させてくれたらうれしいです。どんなあそびにアレンジをしたか、「放課後たのしーと」のツイッターなどを通して教えてほしいですね。

原さんご自身は、子どものころどんなあそびが好きでしたか? また、子どもたちにメッセージをお願いします。

子どものころは、工作やお絵かきが大好きでした。友達と走り回ってあそぶのも好きでしたが、それ以上に一人で黙々と何かを作ってあそぶ時間を大切にしていた気がします。小学生になるとマンガを描くのに夢中に。図鑑や辞書を眺めては、マンガのネタを探していました。描いたマンガをクラスの学級文庫に勝手に置いたりして(笑)。友達が読んでくれるのが嬉しかったのを覚えています。

今思うと、夢中になれることがあったことは幸せだったし、現在のデザインの仕事にもつながっていると思います。作ったものを誰かが喜んでくれることが、自分にとって重要なんです。子どもが好きなことが見つからないからと焦る必要はありませんが、夢中になれるほど好きなことが見つかったら、それを大事にしてほしいですね。周囲にいる大人はそんな子どもをそっと見守りつつ、自分自身も何か夢中になれるものがあったら素敵だなと思います。

「あそドロ3人組」はコチラ

(文・構成 米原晶子)


プロフィール 原 裕佳子(はら・ゆかこ)

東京学芸大学大学院 教育AI研究プログラム
グラフィックデザイナーとして、パッケージデザインや企業ブランディングの絵本などを手がけ、2019年に大学院へ入学。所属研究室と企業の連携によるあそびのコンテンツ開発に携わる。現在はフリーランスのデザイナーとして活動しながら、第一子の子育て真っ最中。

公式サイト https://yukakohara.myportfolio.com/